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2015年3月19日 (木)

Tales from Book Apple #12 "Toward Invisible"

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少し個人的な話になるかもしれませんが、僕は演奏する時、いつも観客の方々の空気感やエネルギーに少なからず影響を受けます。

たいていはいい意味ですが、時には良くない方向へ向かってしまうこともあります。

ミュージシャンのなかには、自らの表現の前に観客は無関係だという人もいるかもしれませんが、少なくとも僕はそうではありません。

ライブ演奏に関しては、空間そのものや、その場に居合わせるすべてのひとが持ち込んだ様々な要素が互いに作用しながら、音楽が形成されていくのだと思っています。

決して比喩的な言い回しとしてではなく。

しかし同時に、即物的にミュージシャンと観客、人と人が反応しあうことだけでいい音楽が生まれるのかというと、そうとは言えない気がします。

そこには何か目に見えないものが介在する、あるいは存在する必要があるのだと思います。

それは、ミュージシャンにとっては「なぜ音楽を演奏するのか」という根源的な存在意義のようなものであり、これを持ち込むことはミュージシャンの使命だと僕個人は考えています。

もちろんそれは画一的なものであるはずはなく、ミュージシャンの数だけ異なる「何か」なのでしょう。

だからといって誰かに何らかのイメージなどを強要するべきではないと思うし、有機的で自発的な反応を互いに共有することができたなら最高です。

本当に大切なものは「目に見えないもの」であるべきなのです。

そしてそれは僕にとって不可欠な初期エネルギーのようなもの。

エネルギー保存の法則は音楽にも成り立つと思います。

良い初期エネルギーがなければ、美しい放物線を描くことはないのです。

僕にとっての「目に見えないもの」を感じていられることは、とても大きな幸運です。

これから先も、決してそれを見失わないでいたいと願っています。

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