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2015年1月

2015年1月27日 (火)

Tales from Book Apple #11 "Scope for Imagination"

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小学生の頃から、僕は周囲とどこか上手くなじめないところがあって、いつも自分を異物感のある存在として感じていました。

「男らしさ」とか「みんなと同じ」というような感覚に強い違和感を持っていて、結果としてひとりで想像の世界に遊ぶことが多かったように思います。

小学校4年生から5年生にかけて、親の仕事の都合で少しの間イギリスのブライトンという街で過ごしました。

日本人学校ではなく、現地の小さな普通の学校に通ったのですが、その経験はその後の僕に決定的な影響を与えることになりました。

初めて自分の異質さを感じることがなかったのです。

クラスには様々な人種、宗教を持つ生徒たちが混在し、本当に小さな学校だったので、他学年が同じ教室で授業を受けることも多く年齢もばらばら。

ひとりひとりがあまりに個性的で、自分が他人と違っているのは当たり前だし、そもそも誰もそんなことを考えてもいませんでした。

いい友達も何人かできたし、初めて女の子から告白されたりもしました。

イギリスでの生活は僕にとって、かけがえのない美しい記憶として心に刻まれています。

日本へ帰ってくると、僕は「イギリスからの転校生」ということになって、異物感は最高レベルに達しました。

辛かったというほどではないけれど、自分の個性を考え、誰とも違う自分だけの生き方をしたいと強く思うきっかけとなりました。

ちょうどその頃に出会い、それ以来いまだに何度も読み返してしまう本が、L・M・モンゴメリの「赤毛のアン」です。

初めて読んだとき「これは僕だ」と思いました。

もう少し正確に言えば、アンほど純粋に自分を表現できない僕は、どこまでもまっすぐなアンに憧れを抱いたのでしょう。

年齢を重ねて読み返す度に、新たな角度から感動する自分に気付きます。

アンは「想像の余地 “Scope for Imagination”」を愛しています。

「想像の余地」がないものなんて、そんなつまらないものはないのです。

音楽もまったく同じだと思います。

僕は想像の余地のない音楽なんて想像できません。

音楽は演奏するのも、聴くのにも大きな想像力を要求します。

多くの人がもっともっと想像力を信じたなら、この世界はずっと平和で希望に満ちたものになるはずなのに。

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2015年1月25日 (日)

Tales from Book Apple #10 "Room to Move"

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作曲をするとき、たいていの場合タイトルが先に決まります。

印象的な言葉が思い浮かんだり出会ったりして、その言葉を咀嚼し想像を膨らませているうちにメロディーが生まれてくる感じです。

純粋な音楽的発想が曲という形をとることはそれほど多くない。

僕の場合、それは即興演奏へと向うエネルギーとなっている気がします。

どうしてこうなってしまったのか自分ではよく分からないけれど、とにかくまず言葉ありきなのです。

“Room to Move”という言葉は、レイ・ブラッドベリの短編小説のタイトル “Where All Is Emptiness There Is Room to Move”として出会いました。

直訳するなら、「すべてが空っぽな場所には動く余地がある」。

実はこの小説の内容はすっかり忘れてしまって思い出せないのですが、このタイトルだけが、ずっと頭に引っかかっていました。

このことは僕が音楽に向う上での基本姿勢でもあります。

沈黙、静寂があるからこそ音楽に力が生まれるのだと思います。

そして沈黙の持つ大きなエネルギーに匹敵するような音を見据えて、大切に演奏していきたい。

演奏が終われば、音楽は空気のなかに消え去り、曖昧な記憶だけが残る。

あくまで個人的な精神性のなかでのみ存在し、 決して所有したり手を触れたりはできないもの。

音楽は本来そういうものであり、そのことが最大の美しさだと信じています。

街へ出るとあらゆる場所で、あまりにもたくさんの音楽が溢れています。

重なり、混じりあい、どこまでも追いかけてくる音楽は、もはや暴力的でさえあります。

そんな場所には新たな音楽が生まれる余地なんてないと思うのです。

この曲はタイトル曲として、”Room to Move”(VOS 636)にも収録されています。

メンバーは山本昌広(アルトサックス)、田中信正(ピアノ)、千葉広樹(ベース)と僕のカルテット。

大きなジャズフェスティバルの翌日、少し寂しげな横浜での初顔合わせライブ盤です。

そこにはたくさんの”Room to Move”が存在しました。

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2015年1月 9日 (金)

Tales from Book Apple #9 "Double Dozen"

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"Dozen"(ダース、12)という数字には、何か強い引力を感じます。
一年は12ヶ月だし、星座や十二支、時間の単位も12の倍数。
英語の数字も12までは固有の名前があって、13から -teenとなる。
そして何より音楽の音階も基本的には12音程の組み合わせで成立している。

きっとそこには不思議な意味があるのだろうと思います。
ちなみに僕が一番好きな数字は「6」です。
6月生まれだからという面白くもない理由からだけど、「6」が最小の完全数だからというのも大きい。

「6×2=12」
12はサブライム数というのだそうです。(知らんけど)


神戸BIG APPLEの24周年にあわせて作曲したのがこの曲”Double Dozen”です。

十二音技法による、2組の異なる音列の組み合わせで出来ています。

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2015年1月 5日 (月)

January 2015

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大晦日は年越ライブのものすごい熱気のなかから、年越座禅会の身を切る座禅堂へと駆けつけ、静かに新年を迎えました。
2年目の座禅はなぜだかあっという間に時間が過ぎました。
無心になれたのか、雑念が多すぎたのか。
お正月は半年ほど前から気になっていた左手の痛みを考えて、思い切ってギターにまったく手を触れずに過ごしました。
そろそろ復帰します。
先月発売となったソロアルバム「Book Apple」は、僕にとって大きな通過点となりました。
新たな展望を前に、これからの時間がとても大切に思えます。
繰り返しにならない勇気を胸に、すべてにおいてのさらなる深さを目指して今年もがんばっていきます。
どうぞよろしくお願いします!

January 2015

1/7(WED) 大阪 じゃず屋  06-6377-1130
Words of Forest
森本太郎 (drums)
武井努 (saxophone)
今西祐介 (trombone)
清野拓巳 (guitar)
三原脩 (acoustic bass)

1/10(SAT) 名古屋 Valentinedrive  052-733-3365
DAY4
◇武藤祐志(gt) 小埜涼子(sax) duo
◇清野拓巳(gt) solo
◇A WAY IN THE MORNING
[高橋朝道(sax) 鎌田浩史(pf) 中村和正(b) 小川和也(ds)

1/11(SUN) 神戸 BIG APPLE 078-251-7049
小埜涼子 (alto saxophone)
武藤祐志 (guitar)
清野拓巳 (guitar) 

1/15(THU) 神戸 BIG APPLE 078-251-7049
Words of Forest
森本太郎 (drums)
武井努 (saxophone)
今西祐介 (trombone)
清野拓巳 (guitar)
三原脩 (acoustic bass)

1/16(FRI) 吹田 TAKE FIVE 06-6319-0625
隼人加織 (vocal)
清野拓巳 (guitar)

1/18(SUN) 大阪 TBA
TAKE FIVE 21周年アニバーサリーライブ

1/20(TUE) 名古屋 TOKUZO  052-733-3709
CD "MIMICRY" 発売記念LIVE
さがゆき (vocal, guitar)
清野拓巳 (guitar)
special guest:

林栄一 (alto saxophone)
小埜涼子 (alto saxophone)

1/23(FRI) 神戸 BIG APPLE 078-251-7049
西島芳 (piano)
清野拓巳 (guitar)

1/31(SAT) 心斎橋 Soap Opera Classics 06-6121-6688
もゆつきセッション&濱田道子
~いつも1月のみの限定セッション~
※お昼のライブです 13:30~

濱田道子 (vocal)
島田篤 (piano, vocal)
清野拓巳 (guitar)
泉 尚也 (bass)
阿久井喜一郎 (drums)

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