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2014年12月 5日 (金)

Tales from Book Apple #5 "Night Tree"

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もうずっと前のこと、「夜の樹」というタイトルに強く惹かれてトルーマン・カポーティの短編集を手に取りました。
主にヨーロッパの古い小説ばかり読み漁っていた僕にとって、アメリカの近現代の作家の作品に興味を向けてくれた一冊だったかもしれません。
カポーティの文章はとても音楽的に響きました。
暗示的でパーソナル、ひとつひとつの言葉、その連なりがとても美しく、それらの総体として物語が形成されて行く。
もはや音楽そのものだと言ってもいいくらいに。
そのことは後に原書で読み直したときにさらに強く感じました。
以来、「夜の樹」というタイトルで作曲したいとずっと考えていました。
その言葉をあたため続けて、あたためすぎてハードルがかなり高くなってしまった頃、熟した果実がぽとりと落ちるようにメロディーが生まれました。
僕にとってとても大切な一曲です。
カポーティの原題は"A Tree of Night"ですが、"Night Tree"としました。
僕の中で育った言葉は、まったく別のイメージとして定着してしまったから。
 
夜の樹は不思議な力を持っています。
夜の樹の周りに集まる人々は、それぞれの人生の背景を抱えながらも、性別や年齢、国籍を超えて図らずも深い魂の交流を持ってしまう。
ほんのひととき何かを共有することで、少しだけ変化した自分を感じながら、あるいは変化への希望と共にそれぞれの日常へと戻っていく。
それはライブハウスに集うミュージシャンと観客の風景とごく自然に交錯します。
そして僕はあるひとのことを想います。

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