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2014年11月 7日 (金)

Tales from Book Apple #2 "Frozen Dust"

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#2 Frozen Dust

アインシュタインの力を借りなくとも、時間というのは相対的な観念だと思います。
誰しも同じ三分間が精神の状態や状況によって伸び縮みすることは経験するのではないでしょうか。
また、ある音や色、風景がスイッチとなって、突然全く時間軸の異なる思考の渦に引きずり込まれることがあります。
僕は、小さい頃からこういう空想癖というか妄想癖があって、周りからぼんやりしていると思われがちでした。
いったんそのスイッチが入ると、空想がとめどなく連鎖して、最終的には頭の中で起きていることと実際の状況のどちらが現実なのか見失いそうになります。
正直にいえば、昔の記憶は空想と現実の境界線がもはや分からなくなった部分がたくさんあります。
まぁ、どっちでもいいかとも思っていますが。
そして、そういう異なる位相空間からふと我に返ったとき、「あれ?まだ三分しか経ってない。不思議!」とか、「もう一時間経ってる。今日も遅刻!」となるわけです。
考えてみれば、それは僕が演奏、とりわけ即興演奏をしている時の感覚ととてもよく似ています。
演奏が終わる瞬間はいつも、夢から覚めるような感覚です。
そういう意味では、僕にとって演奏するという行為は、覚醒ではなく精神の解放と言えるのかもしれません。
ずいぶん脱線しましたが、この曲"Frozen Dust"を作曲しているとき、僕の頭の中には、ある状況と場所が浮かんでいました。
それを具体的に書くことはあまりに無粋なのでやめておきますが、日常と日常の間に突然割り込んできた、ひとつながりの思考の流れです。
自分だけが経験した時間なんだけれど、その後の日常がほんの少し違って見えるというような。
そして、そのスイッチとなるのが"Frozen Dust"です。

この曲は、三年ほど前に発表した同名のアルバム「Frozen Dust」でも、素晴らしいギタリスト市野元彦さんとのデュオで、37分ほどのロングバージョンで聴くことができます。こちらもぜひ!

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