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2010年3月12日 (金)

skill is not everything

20091227comon_046

今日レッスンに来てくれているひとりのギタリストが「最近自分より年下で上手い人を見ると不安になるんですよね」と話すのを聞いてはっとした。
その気持ちはよく分かる。
僕もきっと人一倍自意識が強い方で、ギターでは誰にも負けたくないし、いつか世界一のギタリストになりたいとずっと思っていた。
その思いは今でも基本的に変わらない。
それでもいつしか気がつけば、音楽を巧さだけで受け止めることがなくなっていた。
誰かがいい演奏をしていれば、たとえそれが同じギタリストであっても、純粋に感動し、ポジティブなエネルギーに変換することが出来ている。
そんな時こそ音楽をやっている幸せを感じるし、自分自身の音楽に対するフォーカスが強く鮮明に定まる。
それって10年前の僕には考えられないことだったかもしれない。
いつでも悔しさだけが前に立っていたのではないか。
少しは大人になったということなのか、角がとれてしまったと言うべきか。
いや、何より、ようやく自分自身をほんの少し信じることができるようになったのだと思いたい。

最近の僕の中での傾向としては「上手いですね」というのは、必ずしも褒め言葉ではない。
「変態ですね」は、それこそ限りなく最上級の賛辞だけれど。

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コメント

ド変態ですね!


すみません、書かずにはいられませんでした。

投稿: Y* | 2010年3月12日 (金) 13時21分

Y*さん
ありがとうございます!
でもこう正面切って言われるとさすがにドキッとしますね。
自分で書いておいて言うのもなんですが。

投稿: 清野拓巳 | 2010年3月13日 (土) 04時05分

巧いが褒め言葉にならない事に気付いたのは随分前です。頻繁にライブを観、音響に興味をもってからでしょうか。

こういうのがあります。

『私たちはなぜ絵や音楽や陶器や音響機器などの趣味にお金をかけるのだろうか。それは、そこに作家や作者のエナジーを感じるからである。生きるエナジーを高めるために元気に生きていきたいために、絵をかけ音楽をかける。エナジーは波動であるから、自分の中にないものとは共鳴しない。好きなものとめぐり合えるということは、自分のからだの中にあるものを発見することでもある。自分の眠っている細胞を覚醒させることでもある。』

佐京純子著、ジェイムズ・B・ランシング物語、実業之日本社より。

投稿: 藤原祥智 | 2010年3月13日 (土) 09時32分

藤原さん
本当にそうですね。
自分の中にないものとは共鳴しない、そう思います。
だからこそ、その人にとっての最高の音や対象物は、誰とも違う固有のものなんですよね。
そしてそのことに気付いていられるのはとても幸運なことだとも思います。
僕にとっては、たとえお客さんが1000人でも10人でも、基本的には同じ一対一の関係だと思っています。
いつも本当にありがとう!

投稿: 清野拓巳 | 2010年3月14日 (日) 04時10分

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